長崎大大学院の七條和子客員研究員らのグループが、広島で入市被爆し、70年後に死去した女性の肺がん組織から、原爆由来とみられるウラン粒子と放射線を検出したとの研究結果をまとめた。内部被ばくによるとみられる組織の損傷も見つかった。関係者が20日、明らかにした。

 国際科学誌に発表した。共同研究者の高辻俊宏同大名誉教授(放射線生物物理学)によると、グループは女性の死後、肺の組織から出る放射線を画像化する「オートラジオグラフィー法」を使い、放射線の一種のアルファ線が走る「飛跡」を検出した。飛跡の長さなどから、アルファ線を出しているのが広島原爆の核物質と同じウラン235と確認。周囲では細胞が球体状に死滅しているように見え「デスボール」と名付けた。

 女性は広島原爆が投下された3日後、8歳で入市被爆。78歳の時に咽頭がんで死亡し、肺がんも併発していた。

 内部被ばくを巡っては、長崎では国の援護区域外で原爆に遭った「被爆体験者」などが健康被害を訴えている。