人より2ヤードでも遠くに飛ばしたい。アマチュアゴルファーにとっての憧れの一つにドライバーショットの「飛距離」がある。県プロゴルフ会副会長の加茂靖倫(かも・やすのり)プロ(58)=宇都宮市砥上町=は、ドラコン日本一に5回輝いたことがある実力者だ。

 日本一の内訳は、ゴルフダイジェストドラコン選手権で3回(2000年、04年、09年)、JGTO公認日本一ドライビングコンテスト優勝(00年)、LDJ(ロング・ドライバーズ・オブ・ジャパン)公認日本一ドライビングコンテスト優勝(09年)だ。また、世界大会日本代表に4回選出され、世界大会日本人最高記録390ヤードの記録を樹立た。

 自己ベストは398ヤード。宇都宮カントリークラブ南6番パー5は、アマチュアには第2打が打ち上げとなるホールだが、何と左グリーンのガードバンカー手前まで飛ばした。メイフラワーCCの10番パー4(381ヤード)はグリーンオーバーしたことも。

加茂靖倫プロ
加茂靖倫プロ

 183センチ、115キロと堂々の体格。ヘッドスピードは、「今は50m/sを下回る」というが、全盛期は64m/sを超えた。当時、4Xのシャフト、バランスはE0とアマチュアでは考えられないセッティングだ。

 この飛距離をもってしても幅40ヤードのフェアウエーを目指して、6球のベストで争われる世界選手権では歯が立たなかった。過去の世界挑戦でのベストは355ヤード、361ヤード、390ヤードを飛ばしても賞金が出るステージまで進出できなかったというから世界は広い。

 東京生まれ。高校を卒業後、研修生として鹿沼市の南摩城CCに入り、1990年プロテスト合格。同期には故杉原輝雄(すぎはら・てるお)プロの長男・敏一(としかず)プロがいる。

 よく質問されるのが、飛ばしのポイント。グリップは「強く握り過ぎず、適切な握り方を意識する」、テイクバックは「大きな体の回転を意識する」、インパクトは「ヘッドスピードを最大化するよう心がける」、フォロースルーは「振り切ることを意識してエネルギーを伝達する」のがコツだという。

 体重移動と捻転は「積極的に左右に体重移動し、体をねじる量とタイミングをつかむ」、インパクトは「ハンドファーストを意識する」、左足の踏み込みは「左足での踏み込みにより、スイングスピードを上げる」、振りは「シャフトクロスも許容し、クラブを真上に振り上げ、真っすぐ下ろすようなタテ振りを意識する」という。

 「これまでですごいと思った選手は」と尋ねたところ、意外にも「ヤクルトの山田勉(やまだ・つとむ)」という元プロ野球投手の名が返ってきた。山田さんは2005年の現役引退後、ドラコン日本選手権で優勝し、世界大会に日本代表として出場した経歴を持つ。「負けはしなかったが、ボールがよじれて飛んでいった」と表現する。

 現在は西川田ゴルフ練習場(宇都宮市)などで、ジュニアを中心に指導している加茂プロは「体は大きいが気は優しい。気軽に声をかけてほしい」と笑う。大柄な体を見つけたたら思い切って「ドライバーショット見せてください」と頼んでみよう。還暦近くで240ヤードだが、実にいい回転のドライバーショットが見られるはずだ。