提訴のため、東京地裁に向かう「大川原化工機」元顧問相嶋静夫さんの長男(前列左)と次男(同右)=6日午後、東京・霞が関

 機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の冤罪事件で、保釈が認められず被告の立場のまま72歳で亡くなった同社元顧問相嶋静夫さんの遺族が6日、逮捕や勾留を認め、保釈請求を退けた裁判官の判断は違法だったとして国に約1億6800万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。遺族は、検証や謝罪を行った警察・検察と違い、裁判所は説明責任を果たしていないとし「裁判の中で聞き出したい」と訴えた。

 訴状によると、治療が必要で逃亡や証拠を隠す恐れがないのに保釈請求を退け続け、長期間勾留したのは憲法違反に当たると主張。判断に関わった計37人の裁判官は、否認するほど身柄拘束が長引く「人質司法」を追認したとしている。

 事件では、軍事転用可能な装置を無許可輸出したとして、外為法違反罪で相嶋さんのほか、大川原正明社長(76)と元取締役島田順司さん(72)が逮捕、起訴された。相嶋さんは勾留中に胃がんが見つかったが、東京地裁は「証拠隠滅の恐れがある」などとして保釈を認めず、2021年2月に亡くなった。