古文書などをかじって食べ、貴重な文化財に損害を与える外来種の害虫「ニュウハクシミ」の分布域が拡大している。調査した東京文化財研究所(東文研)によると、今年3月時点で、北海道から熊本までの少なくとも20都道府県で生息を確認した。繁殖力が高く定着後の駆除は難しいため、早期発見が重要。東文研は希望する博物館などに防除キットを無償で配布し、対策を呼びかけている。
東文研によると、ニュウハクシミは成虫の大きさが1センチ程度で、10度以下の低温を嫌う。しかし博物館や図書館では、文化財や書籍を守るため年間を通じて一定の適温に保たれており、広がりやすいという。
欧州を中心に世界的に分布し、国内では2022年に初確認された。博物館資料や箱詰め資材に付着し、資料の貸し出しや移動に伴って海外から持ち込まれ、短期間で広がったとみられる。
脅威となるのは繁殖力の高さだ。雌単独で子孫を生み出す「単為生殖」が特徴で、1個体が3年後には約2万個体にまで増えるとされる。
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