在日中国大使館への自衛官侵入事件が日中関係の新たな火種になりそうだ。日本側は遺憾の意を表明し、犯行動機などの実態解明を急いでいる。中国側は「十分にはほど遠い」と不満を示し、中国紙には謝罪を求める論調も出てきた。高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁をきっかけに冷え込んだ日中関係が改善に向かう見通しは立たないままだ。
事件は3月24日の中国外務省の記者会見で明るみに出た。木原稔官房長官は翌25日の会見で「法を順守すべき自衛官が建造物侵入容疑で逮捕されたことは誠に遺憾だ」と言及。中国側から申し入れと再発防止の要請があったとした。
「外交関係に関するウィーン条約」は受け入れ国に在外公館の保護を義務付けている。国民民主党の玉木雄一郎代表は「義務を果たせなかったことについては謝罪するべき案件だ」と指摘した。だが、自民党会合では「実態解明されて初めて対応を判断できる」との声が上がった。
中国側は納得していない。中国共産党機関紙は社説で「日本政府が謝罪を拒み続ければ、日中関係はさらに悪化することになるだろう」と警告した。
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