松山バレエ団が5月に東京で、団長の森下洋子が主役を踊る「新『コッペリア』」を上演する。記者会見に臨んだ森下は「生きることの素晴らしさをお伝えしたい」と意気込みを語った。
2012年初演の「新―」は、コミカルな古典バレエを、森下の夫で団総代表の清水哲太郎が、東日本大震災の犠牲者の鎮魂と被災地の復興の祈りを込めて改訂。大災害に見舞われた町で、最愛の娘コッペリアを失った老学者コッペリウスが、彼女を慕うスワニルダ(森下)やフランツら若者に癒やされ、人々との絆を取り戻していく希望の物語だ。
「スワニルダの明るさや強さ、温かさを大切にしたい」と森下。バレエ団は14年に宮城県石巻市の、避難所だった体育館で公演した。被災者と交流し、握られた手から伝わってきたたくましさに「逆に励まされた」経験が、役の表現を深めた。
被災地の状況は変わったが「世界中で戦争が起き、痛ましい状況は今もある。皆さんに幸せな気持ちになっていただきたいという思いで踊りたい」と力を込める。
森下は今年、舞踊歴75年。踊り続けるのは「生きること、呼吸することと同じ」と語り、体の変化は「当然」と受け止め、風邪やけがの予防に細心の注意を払っている。
「今日、明日とレッスンを積み重ね、気づいたら75年に。あとどれくらい、ということは考えたことがない。舞台に立ち続けていること自体、本当に幸せな人生だなと思います」とほほえんだ。
「新『コッペリア』」公演は下記の通り。5月3~5日東京・Bunkamuraオーチャードホール(5日は子ども向けで森下の出演はなし)▽23日東京・北とぴあさくらホール(森下の出演は一部)
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