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【海口(中国)2026年4月2日新華社=共同通信JBN】毎年3月下旬、ボアオ・アジアフォーラム年次総会(Boao Forum for Asia Annual Conference)では、Mushan Coffeeのセルフサービス型スマートコーヒー自販機の前に長蛇の列ができます。今年の総会初日には2000杯以上が提供されました。

 

海南省・瓊中で生産されるMushan Coffeeは、ボアオ・アジアフォーラム年次総会で5年連続の提供となり、豊かな甘みとフルーティーな香りで世界各国のゲスト、記者、スタッフを魅了しています。

 

バリスタのChen Fang氏は「初めて年次総会で提供した時には、海南のロブスタ豆は苦味や渋みが強いのではと心配するゲストがいました」と振り返りました。「ところが実際に飲んでみると、甘い風味とフルーティーな香りに驚いていました。今では『なぜロブスタ?』ではなく、『どうやってこんなに良い味を出すのですか?』と聞かれるようになりました」

 

長い間「苦い」「安い」と敬遠され、インスタントコーヒーにしか向かないとされていたロブスタ豆ですが、中国ではこの数十年で見事な復活を遂げています。

 

低緯度の熱帯に位置する海南島は、中国で最も早くからコーヒー栽培が行われてきた地域の1つで、ロブスタ種の栽培に理想的な気候条件を備えています。1957年以来、Spice and Beverage Research Institute, Chinese Academy of Tropical Agriculture Science(中国熱帯農業科学院・香辛料飲料研究所)の研究者たちは、品種選抜、栽培技術、品質向上、加工方法、標準化体系という5つの側面で、ロブスタの体系的な改良を進めてきました。苗の育成や効率的な栽培から病害虫の防除に至るまで、一貫した技術指導を提供することで、海南のロブスタは「産業用商品作物」から、優れた風味と高い収量、強い耐性を備えたプレミアム作物へと生まれ変わりました。

 

海南省農業農村部(Hainan Provincial Department of Agriculture and Rural Affairs)によると、2025年までに省内では2万6000ムー(約4300エーカー)のコーヒー農園が整備され、年間4万トンを加工する能力を備えています。種子、苗作り、栽培、保管、加工、焙煎、抽出にわたる包括的な基準を通じて、同省は「種からカップまで」の一貫した標準化を実現しました。

 

加工の段階では、革新的な生産者たちがハニープロセスや嫌気性発酵といった高度な技術を採用し、ロブスタ豆からパイナップルやマンゴーのような熱帯果実の風味を引き出しています。

 

Hainan State Farms Mushan Coffee Co., Ltd.のLi Changjian総経理は「コーヒーには、拡張や融合に大きな可能性があります。私たちは熱帯の果物や野菜などの素材をコーヒーと組み合わせ、海南ならではの商品開発に取り組んでいます」と語りました。

 

これらのスペシャルティ商品は、現在海南各地のカフェで提供されています。Mushan Coffeeは、2021年に海口で直営1号店をオープンして以来、36店舗に拡大しました。Green Orange Americano(グリーンオレンジ・アメリカーノ)、Island Milk Coffee(アイランド・ミルクコーヒー)、Pandan Coconut Latte(パンダン・ココナツラテ)といった革新的なメニューが、変化し続ける若い消費者の嗜好に応え続けています。

 

都市生活に根付いたカフェ文化にとどまらず、海南の一部の市や県では「コーヒー+観光」も新たな産業として成長しつつあります。万寧市・興隆(Xinglong)にある「Longyuan Coffee Estate」は、コーヒーをテーマにした農園で約200ムー(約33エーカー)の敷地を持ち、栽培エリア、加工施設、カフェ、体験センター、レストランを一体化しています。訪れた人は、植え付けや収穫から、加工、焙煎、挽きまで、コーヒー作りの全工程を体験できるほか、コーヒーチェリーの果肉を使ったチキン煮込みや、コーヒーの皮を使ったお茶など、この地ならではの料理も味わえます。現在、万寧市では5カ所を超えるコーヒー農園が一般公開されています。

 

海南省・定安(Ding’an)のTaling Industrial Park(塔岭工業パーク)では、世界的に知られるMixue Ice Cream & Teaがコーヒー産業の新たな領域を切り開いています。同社の288ムー(約47エーカー)に及ぶ施設では、さまざまな国のコーヒー豆を独自のレシピでブレンドしており、年間2万2000トンの生産能力を備えています。

 

海南自由貿易港(Hainan Free Trade Port)の政策の下では、コーヒー生豆の輸入関税、付加価値税、消費税が免除されます。関税分の8%の削減に加え、輸入段階でのコスト最適化や法人税・個人所得税の「15%・15%」優遇措置が適用されることで、全体のコストは30-40%抑えられます。

 

コストの低下により、取引も一段と活発になっています。2025年の海南省のコーヒー生豆・関連製品の輸入量は9110トンと前年比5.6倍に増加し、輸入額は4億8000万元(約6600万米ドル)で前年の8.3倍に達しました。輸出は169.5トン、輸出額は1264万元で、それぞれ51.9%増、49.6%増となりました。輸出品には、深煎りコーヒー豆やエスプレッソ用・アメリカン用のコーヒーパウダーに加え、海南ならではのココナツミルクコーヒーなどが含まれます。これらはマレーシア、インドネシア、米国、オーストラリアをはじめとする17カ国・地域向けに出荷されています。

 

かつて海南は単なるコーヒー消費市場の1つでしたが、現在では状況が大きく変化し、海南にはコーヒー産業チェーンに属する企業がますます多く集まってきています。ブラジル、インドネシア、ベトナム、コロンビアなどから輸入されたコーヒー生豆は海南に集まり、現地で加工され、特有の風味に仕上げられたうえで、中国本土向けに販売されるほか、海外にも輸出されています。

 

ソース:Hainan Provincial Department of Agriculture and Rural Affairs