幻のスカイラインがついに廃道へ-。栃木県は、那須塩原市の板室温泉街と塩原温泉街を結ぶため計画した「県道中塩原板室那須線(塩那道路)」について、廃道に向けた法令手続きを進めると発表した。山間部を貫く総延長約51キロの観光周遊道路として高度経済成長期に着工し一部区間のみ開通したが、県の財政悪化で大部分の建設は中止に。未開通区間を林地に戻して国に返還するために長年続けた植生回復事業がようやく実を結び、廃道に向けた手続きに移ることになった。工事に当たった陸上自衛隊で殉職者が出たり、著名漫画のモチーフになったり-。「夢のスカイライン」「負の遺産」とも呼ばれた知る人ぞ知る一大公共事業は、大きな節目を迎えた。

 塩那道路は現在、塩原温泉側は「土平園地」までの7・0キロ、板室温泉側は「深山園地」までの8・7キロは通行できる。その間の区間(約36キロ)には工事用道路が整備されているが、通行することはできない。

全面通行止めの塩那道路のゲート(栃木県道路整備課提供)
全面通行止めの塩那道路のゲート(栃木県道路整備課提供)

■聖地巡礼する人も

 走り屋の若者たちを描いた漫画「頭文字D(イニシャルD)」では、とある走り屋集団の本拠地として、塩那道路をモチーフとした道路「塩那の峠」が登場する。