公立中学校の部活動を地域のスポーツ、文化芸術団体などに委ねる地域展開(地域移行)は2026年度、新たな段階に入る。国は31年度までの6年間を「改革実行期間」とし、本県は29年度までの4年間で土日などの休日は全ての部活動を地域のクラブで展開することを目指す。

 国は部活動を地域ぐるみで支えることを目指し、改革の名称を変更した。見方を変えれば、部活動改革にとどまらず子どもを中心とした多くの住民が関わるスポーツ、芸術文化の振興の好機となり得る。県や市町はそれぞれの地域が人材、既存施設などを有効活用し、地元に合った持続可能な形で進められるよう支援してほしい。

 本県も人口減少は避けて通れない課題だ。生徒が減れば、それに伴い各校の教員も減る。部活動改革が求められる理由であり、一部は学校単独で部活動ができなくなってきている。それと同時にかつては各地にあったバレーボールチームなども成り立たなくなり、住民たちのスポーツ、文化活動も衰えつつある。

 部活動が地域クラブ活動になることは、住民にとって新たな生きがいづくりにもつながるのではないか。例えば新たに総合型地域スポーツクラブが設立されれば、より幅広い層の住民がスポーツに親しむよりどころになるはずだ。

 既に県や一部の市町は指導者確保をサポートするために人材バンクを設けている。県の登録指導者は200人を超えるが、新年度は指導者、各団体双方がよりアクセスしやすく充実を図るという。新たな団体設立の手続きなども支援してほしい。持続可能な形にするには、設立後の継続的な支援も求められる。

 改革に当たっては、活動場所への送迎手段確保や保護者の費用負担など課題は少なくない。一方、複数の学校から参加することで生徒数が増えれば活動の幅も広がり、指導者ら教員以外の大人と多様な人間関係を学べるなど新たな効果も期待できる。

 県の統計によると、本県の出生数は1970年の約2万8千人から2024年は約9千人と3分の1まで減少した。山間部と都市部などで環境も大きく異なるが、保護者をはじめ活動を支える住民の声も丁寧にくみ取りながら希望する全ての生徒がスポーツ、文化芸術活動に取り組める環境を整えてあげたい。