農産物直売所など県内の都市農村交流施設の売り上げが伸びている。同施設は農村と都市を結ぶ拠点として存在し、その役割を担ってきた。今後も内容を充実させたり新商品を開発したりして商品力を磨き、施設の魅力を高めることで稼ぐ力を向上させたい。
都市農村交流施設は、農産物直売所と、道の駅などに併設された農村レストラン、観光農園で、2024年度時点で県内に計256ある。県によると、全体の利用者数は1929万人。売上額は246億円に上り3年連続で過去最高を更新した。
中でも農産物直売所は、利用者数1701万人、売上額208億円で過去最高。前年度よりそれぞれ22万人、18億円増となった。ただ施設数は前年度より7減の161。記録が残る08年度以降減少傾向にあり、237施設あった同年度の7割程度となっている。施設管理者らの高齢化などにより、中小規模が数を減らしている。
収益面では二極化が進む。売上額が1億円以上の直売所は60施設あり、大規模直売所が売り上げを伸ばして全体を引き上げている。
売り上げを伸ばしている施設は交流サイト(SNS)などを効果的に活用した情報発信に取り組んでいるという。人手の問題などで手が回らない中小もSNSなどを活用し、積極的にPRしたい。PR手法などについては、行政もしっかり後押ししてほしい。
情報発信とともに重要なのが商品の充実だ。地元産の生乳を使ったソフトクリームなどを開発したことで売り上げ増につながったケースもある。地域の特色を生かした商品開発のほか、他の施設にはない独自性のある企画などで集客力を高めたい。
管理者の高齢化とともに、出荷者の高齢化も課題だ。商品が確保できないと運営に支障をきたす。施設の中には自社農園を持ったり、出荷者を回って集荷したりしている施設もある。他施設の取り組みを取り入れるなどして成長につなげるべきだろう。
県は新年度から始まる新たな農業振興計画で、都市農村交流施設について売上額と利用者数を30年度にそれぞれ325億円、2200万人とする目標を掲げた。各施設が魅力を高めて固定ファンを増やし、交流人口増にもつなげることで目標を達成したい。
ポストする