国土交通省は17日、1月1日時点の公示地価を発表した。地価について栃木県内全体(全用途)の1年間の変化を表す1平方メートル当たりの平均変動率は、前年のマイナス0.1%から0.1%に上昇し、1992年以来34年ぶりにプラスに転じた。住宅地はマイナス傾向が続くが、商業地は前年の横ばいからプラスに転じ、工業地は上昇幅が拡大した。近年と同様に宇都宮市の次世代型路面電車(LRT)沿線地域がけん引した。商業地では、インバウンド(訪日客)が好調な日光市の平均変動率が最も高く、全体のプラスに寄与した。

 

 公示地価は土地の取引価格の指標などとして、選定した標準地1平方メートル当たりの価格を判定する。県内は住宅地349、商業地97、工業地20の計466地点を調査。平均変動率は、継続地点を基に算出した。

 商業地の地価上昇地点は42地点で、前年より10地点増えた。平均変動率は0.2%で、前年の横ばいから上昇し、34年ぶりにプラスとなった。観光客の増加に伴って需要が伸びた日光市の2地点が上昇率上位だった。小山、宇都宮、真岡市でも上昇が続いた。

 工業地の平均変動率は5年連続で上昇し、前年比0.3ポイント増の3.6%だった。県南を中心に高速道路のインターチェンジ周辺など、首都圏へのアクセスが良いエリアで数字が伸びた。

 住宅地は、平均変動率がマイナス0.2%で34年連続でマイナスとなったが、下落幅は前年から0.1ポイント縮小した。最高価格は宇都宮市宿郷5丁目で、前年比2.7%上昇の15万1千円だった。上昇率トップは同市ゆいの杜(もり)4丁目で、7.4%上昇の7万6700円となり、LRT沿線エリアが引き続き好調だった。

 小山、下野、壬生、大田原でも上昇が続き、野木は横ばいから上昇に転じた。

 全用途の平均価格は4万3800円だった。平均変動率の34年ぶりのプラスについて、26年地価公示代表幹事の不動産鑑定士小岩圭一(こいわけいいち)氏は「バブル崩壊から長くマイナスが続いていた中、プラスに転じた意味合いは大きい」と評価する。

 一方、人口減少が続く那須烏山、那珂川、茂木といった中山間地域では地価下落が続く。小岩氏は「宇都宮や小山など安定した人気のある地域との差が大きい」と課題を指摘した。