2025年のショパン国際ピアノ・コンクールで5位に入賞、注目を浴びたマレーシアのピアニスト、ビンセント・オンが今年7月、4都府県で来日ツアーを行う。即興性のある変幻自在な演奏が持ち味の新星は「『ショパン弾き』という型にはまりたくない」と落ち着いた口調で語り、多彩な作曲家の「エッジの利いた」曲も披露する。
2月に東京・浜離宮朝日ホールで開催したデビューリサイタルのチケットは、販売直後に完売。コンクールでも披露したショパンの「24の前奏曲」や「ピアノ・ソナタ第3番」の独創的で濃厚な演奏で聴衆を魅了した。
ピアノ曲の「最高峰」とも言えるショパンの音楽に長く取り組んだことで「テクニックや感性が研ぎ澄まされた」とビンセント。ただ、どの作曲家が自分に合うのかは今も模索中で「ショパンコンクールの入賞は意外でした」。
ツアーのプログラムは「自分の別の面を知ってほしい」との思いで考えた。得意とする「24の前奏曲」と共に弾くのは、皮肉の効いたプロコフィエフの「ピアノ・ソナタ第8番」、ユーモアに満ちたハイドンの楽曲、リズムが交錯するバルトークの「三つの練習曲」など。多彩な楽曲を通して「聴衆を音楽の旅に連れて行きたい」と意気込む。
4歳からピアノを始めてのめり込み、いつしか音楽やピアノがアイデンティティーそのものになった。「自分自身や世界をもっと理解することで、じっくりと音楽を深めたい。その過程も楽しみたいです」
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日本ツアーの開催都市は以下の通り▽7月13・14日東京オペラシティ、16日大阪・ザ・シンフォニーホール、17日名古屋・電気文化会館、19日福岡・FFGホール
「クレッシェンド!」は、若手実力派ピアニストが次々と登場して活気づく日本のクラシック音楽界を中心に、ピアノの魅力を伝える共同通信の特集企画です。
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