◎今週の一推しイベント
【28日(土)】
▽「DOUBLE ANNUAL 2026」(~3月1日、港区)
京都芸術大と東北芸術工科大による学生選抜展が、六本木の国立新美術館で行われている。両大の学部・大学院生から選抜された11人(組)の作品を展示。
テーマは「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways,Long Lies?(長い旅には、長いうそがつきもの)」。遠くから来た旅人の話は真贋が分からないと皮肉るベルギーのことわざを取り入れた。
“旅の話”の曖昧さは、現実と想像の間を行き来するアートの姿に重なる。学生たちは自らの経験を基に、事実をなぞりつつ、自分だけの「新しい物語」を作品として紹介している。
内モンゴルから京都に留学中のアイラゴンさんは、工業用の鉄と羊毛フェルトを用いた大型インスタレーションを発表。大学近くや沖縄の自然の中でフェルトを編む自身の姿を映した映像も上映し、行為を通して身体性を強調した。「外からの視点を持てたからこそ、自分の文化や記憶を“自由な発想”で問い直すことができた」
中国出身の湯晴予さんは「遠く離れた友人と交わしたメッセージから想像を膨らませた」と言う。毛髪を思わせる縄や、骨格に見立てた彫刻を組み合わせ、植物を連想させる女性像を創作。生命の力を象徴する菌類の映像も交え、崩壊と成長の“曖昧な境界線”を描き出した。
山形から選ばれた川口源太さんは木材やれんが、アスファルトで力強い造形作品を制作。幼少期から見慣れたナガミヒナゲシの花を添え、外来種という存在との関わりを再考する機会を目指した。
監修を務めた森美術館館長の片岡真実さんは、「学生たちは多様な他者との対話を通じ、旅のような経験を重ねてきた。そこで得た視点を変幻させながら、彼らの旅路は続いていくだろう」と期待を寄せた。
○そのほかのお薦めイベント
【28日(土)】
▽写真展「VISAGES DU CINEMA FRANCAIS フランス映画界の顔たち」(~4月5日、港区、入場無料)
フランス映画を形作ってきた俳優や映画監督たちの「顔」に焦点を当てた写真展が、青山の「アニエスベー ギャラリー ブティック」で開かれている。
1993年の開始以来、横浜を主な拠点としてきた「フランス映画祭」が、今年初めて会場を渋谷に移して開催(3月19~22日、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下、ユーロライブ)されるのに合わせた企画。
ポートレート42点を撮ったのは新旧3人の写真家。50~60年代に活躍したフィリップ・R・ドゥミックさん、現代の映画界を捉えるマリー・ルージュさんとローラ・スティーヴンスさんだ。
巨匠ジャンリュック・ゴダール監督やダルデンヌ兄弟。映画界のミューズ、俳優レア・セドゥさんらの顔ぶれが、フランス映画の豊かな歴史と多様な“今”を鮮やかに伝えている。
世界的に大ヒットした「ラ・ブーム」に13歳でデビューしたソフィー・マルソーさんは現在59歳。俳優・映画監督として着実にキャリアを積み重ねてきた人生の深みが刻まれ、印象的だ。
ギャラリーディレクターの古宇田リヴォー朱美さんは「ブランド創設者のアニエス・トゥルブレが、長年にわたり映画界を支援していることから写真展は実現した。アート性の高さや、フランス人の日常にも触れられるフランス映画に、彼らの肖像を通して興味を持ってほしい」と語った。
▽「三越手芸」(~3月2日、中央区、入場無料)
約100社のハンドメードブランドや、作家本人が出展する「三越手芸」が、日本橋三越本店で開かれている。
デジタル化が加速する時代に、あえて時間をかけるハンドメードは、自分らしいファッションなどを表現する手段としてひそかなブームとなっている。
港区で刺しゅう教室を主宰する作家のJeunet(ジュネ)さんは、オートクチュール刺しゅうの作品を展示。高度な技法で多彩なビーズやパーツを組み合わせたアクセサリーは、豊かな立体感と洗練された印象を与える。
Cotoha(コトハ)さんが手がけた動物形の刺しゅうブローチも。ビーズやスパンコールなどの素材を用い、どんなコーディネートにも寄り添うきらめきと温かみがある。
手作りのために使う珍しい素材をそろえた専門店「小さな手芸屋さん」も特別に設置。ジュネさんは「手芸の楽しさは、小さな成功体験を積み重ねること。好きな作家の作品を見て、簡単なモノからでも“作ってみたい”と思ってもらえれば」と話した。
【1日(日)】
▽「コロンバンのプリンアラモード」(~31日、渋谷区)
日本ロリータ協会会長でモデルの青木美沙子さんが監修した「プリンアラモード エレガンス」が、原宿スイーツ(旧コロンバン原宿)で期間限定販売される。
コロンバン原宿でかつて人気を博したメニューをまとめて、持ち運び可能なカップデザートとしてアレンジ。ラズベリーソースやイチゴを重ねたショートケーキの上に、昔ながらの焼きプリンをのせた。スワン形のチョコレートやマカロンを添え、ロリータファッションの世界観を表現している。
原宿の“カワイイ文化”が詰まった一品として楽しみたい。1日5個の限定販売で、店頭や電話での予約も可能。
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