【電子号外】「共謀罪」法が成立

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日朝の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数により可決、成立した。自公は参院法務委員会の採決を省略するため「中間報告」と呼ばれる異例の手続きで採決を強行。同法は実行後の処罰を原則としてきた日本の刑法体系を大きく変える内容で、野党は「監視社会や捜査権乱用につながる懸念を置き去りにした」と猛反発した。安倍内閣への不信任決議案は15日未明の衆院本会議で否決された。

 法務省は、法施行は7月11日になる見込みだと発表した。参院本会議は14日午前の山本幸三地方創生担当相への問責決議案否決から15日朝の共謀罪法採決まで徹夜の攻防となった。

 安倍晋三首相は法成立に関し「2020年東京五輪・パラリンピックを控え、一日も早く国際組織犯罪防止条約を締結しテロを未然に防ぐため、国際社会としっかり連携していきたい」と述べた。民進党の蓮舫代表は採決前の討論で「権力に国民の内心の自由を侵されるのではないか」と指摘。中間報告による採決について「憲政史上に汚点を残す」と批判した。

 共謀罪法の参院本会議での採決は投票総数235、賛成165、反対70だった。同法は適用犯罪を277とし、対象をテロ組織や暴力団などの「組織的犯罪集団」と規定。構成員が2人以上で犯罪を計画し、うち少なくとも1人が現場の下見や資金調達などの「準備行為」をすれば、計画に合意した全員が処罰される。

 国会審議では民主、共産などから「適用対象の定義があいまいで恣意(しい)的な運用の恐れがある」との批判が噴出。金田勝年法相の不安定な答弁も問題視された。委員会での審議時間は衆院で約30時間、参院で約18時間だった。

 採決に先立ち、自民党が提出した中間報告を求める動議を可決。秋野公造参院法務委員長(公明党)が報告した。中間報告は委員会の審議を途中で打ち切り委員長らに本会議への報告を求める手続き。内閣不信任案は野党4党が14日夜に提出。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」獣医学部新設問題も挙げ「政治の私物化」などを理由とした。

 与党は15日の参院法務委で性犯罪を厳罰化する刑法改正案を採決し、16日に成立させる考え。18日までの今国会の会期は延長しない方針だ。


【電子号外】「共謀罪」法が成立(6月15日)

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