【キーウ、ワシントン共同】米国がウクライナでの戦闘終結に向け、ロシアとの間で策定した和平案について、ウクライナ大統領府は20日、米国から正式に和平案を受け取ったと発表した。近日中にゼレンスキー大統領がトランプ米大統領と意見を交わす方針。ゼレンスキー氏は動画声明で「ウクライナと米国は和平案の各項目について協議する」として、交渉入りを認めた。

 ドリスコル米陸軍長官は20日、キーウでゼレンスキー氏と会談し、米ニュースサイト、アクシオスによると、和平案を提出した。領土割譲などウクライナにとって極めて不利な内容だったものの、ゼレンスキー氏は全面的に拒否はしなかったという。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、和平案は28項目で、ウクライナ東部ドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)の割譲や軍の規模半減、主要な兵器の放棄などロシアの意向が色濃く反映された。

 アクシオスによると、米国のウィットコフ和平交渉担当特使は20日、ドイツのワーデフール外相と電話会談し、和平案には修正の余地があると説明した。