クマの被害が相次ぐ中、秋田県の鈴木健太知事は20日、環境省の森下千里政務官と面会し、出没防止策や、自治体判断による「緊急銃猟」を行う担い手の確保などのため財政支援を要望した。県によると、4~10月の県内の人的被害は犠牲者3人を含む56人。鈴木知事は「被害の大半が人の生活圏で発生している。住民の生命や安全を脅かす異常事態だ」と訴えた。

 要望書では、緩衝帯の整備や春季の生息調査、市街地への移動ルートの一つである河川のやぶの刈り払いなどに支援を求めた。また、放置された果樹がクマを誘引しないよう伐採する際、所有者が不明な場合は伐採が速やかに行えるよう、手続きの簡素化が必要だとした。