医療機器を優先的に使う便宜を図った見返りに、奨学寄付金名目で業者から賄賂を受け取ったとして、警視庁捜査2課は19日、収賄容疑で、東大病院(東京都文京区)医師で医学部准教授松原全宏容疑者(53)=台東区=を逮捕した。同課によると、松原容疑者は2020年3月~23年1月に約100万円を受け取り、一部を私的に流用したとみられる。

 贈賄容疑で、医療機器メーカー「日本エム・ディ・エム」(新宿区)の元東京第二営業所長鈴木崇之容疑者(41)=さいたま市=も逮捕した。

 松原容疑者の逮捕容疑は21年9月と23年1月、同社製品を優先的に使う見返りに、奨学寄付金として東大病院の専用口座に現金計80万円を振り込ませ、うち約70万円を受け取った疑い。鈴木容疑者は23年1月に40万円を振り込み、三十数万円を受け取らせた疑い。同課は2人の認否を明らかにしていない。

 国立大病院の医師は収賄罪の適用対象となる「みなし公務員」に当たる。