「江門ニュートリノ実験施設(JUNO)」のメイン部分=2024年12月、中国広東省江門市(同施設提供・共同)

 【江門共同】中国広東省で19日、素粒子の一種ニュートリノを検出する「江門ニュートリノ実験施設(JUNO)」の完成式典が開かれた。ニュートリノの研究を巡っては、岐阜県の観測装置「スーパーカミオカンデ」などの活用で日本が得意とする分野。JUNOのプロジェクト責任者を務める王貽芳氏は、他国と競い合いながら「世界をリードする研究を進める」と意気込む。

 JUNOは2015年に着工し、17の国・地域から約700人の科学者らが参加。今年8月、ニュートリノのデータ取得など本格的に稼働が始まった。運用期間は30年を見込む。

 式典に先立ち当局は18日、一部メディアにJUNOを公開した。専用の乗り物で地下約700メートルに広がった巨大な実験室に移動。ニュートリノの実験装置のメイン部分は純水で満たされた深さ約44メートルの水槽の中にあり、光電子増倍管と呼ばれるセンサーが設置されている。水槽のふたは閉められ、中の様子は確認できなかった。

 19日の式典ではニュートリノの検出精度に関する成果発表も行われた。