認知症の一種アルツハイマー病の原因とされるタンパク質「アミロイドベータ」の分解を促進する可能性のある化合物を見つけたと、理化学研究所などのチームが19日、国際専門誌「ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ」に発表した。マウスの実験では記憶力の改善傾向が見られたという。
チームの西道隆臣理研客員主管研究員は「既存の抗体医薬と比べて安価な予防・治療薬の開発に役立つ。脳出血などの副作用も起こりにくいのではないか」と話している。安全性や有効性を調べる臨床試験(治験)を経て、数年以内の実用化を目指すとしている。
アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に蓄積し、神経細胞が減っていくのが一因と考えられている。チームはこれまでに、アミロイドベータを分解する酵素と、この酵素を活性化するホルモンを見つけていた。
今回、このホルモンの代わりの働きをする化合物を見つけ、アルツハイマー病になりやすいマウスに投与。すると脳内の酵素が増えてアミロイドベータの蓄積が減少した。不安行動の改善も確認された。
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