稚魚を放流する日光小の児童ら

 【日光】日光小の3年生25人が11日、同校近くを流れる大谷川の河川敷でニッコウイワナの隠れ家作りと稚魚放流を体験した。清流にすむイワナは市の魚だが、最近は数が減っているという。身近な魚類や河川環境を学ぶ授業として、市民団体「ニッコウイワナに学ぶ会」や国立研究開発法人水産研究・教育機構や日光砂防事務所、鬼怒川漁協日光支部などが協力して行った。

 児童は魚類などについて事前学習を受け参加。同機構職員で同会のアドバイザーを務める宮本幸太(みやもとこうた)さん(42)から隠れ家の作り方の説明を聞いた後、参加機関の大人たちと力を合わせながら、土砂を再利用した重りに間伐したスギの枝をロープで結びつける作業に取り組んだ。隠れ家は大人たちの手によって、流れの中に設置された。

 続いて同校でふ化させたものを含む稚魚約500匹を放流。「元気でね」などと声をかけながら、慎重な手つきで流れに放った。

 小杉実鈴(こすぎみすず)さん(8)は「大谷川にすむ魚が、こんなにいることを知らなかった。これからもきれいな川であってほしい」。同会の道田豊(みちたゆたか)会長(62)は「こうした活動が記憶に残り、子どもたちも日光に戻ってくれたら」と期待した。