国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の議長国ブラジルなどは12日、地球温暖化の否定論や「グリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)」を念頭に、気候変動に関する偽情報や誤解を招く表現に対処し、正確で科学的な根拠に基づく情報発信を目指す宣言を発表した。ドイツやカナダ、フランスなど少なくとも10カ国が署名した。日本は入っていない。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、人為的な温暖化は「疑う余地がない」と報告している。一方、トランプ米大統領は「でっち上げだ」と主張。政治家や企業の中にも経済的な動機に基づく懐疑論や、実態の怪しい温室効果ガス削減のアピールが広がっている。

 宣言では、信頼性が高く、正確で証拠に基づいた情報へのアクセスが重要だとの認識を共有。各国政府には透明性を確保し、公的データを利用しやすくするよう求めた。啓発活動の推進のほか、特に途上国での公正な情報流通に関する研究への資金支援も要請した。