環境省は11日、自然や歴史、文化を守りながら体験する観光スタイル「エコツーリズム」推進に向けた政府の基本方針改定案を明らかにした。訪日客の増加でオーバーツーリズム(観光公害)が懸念される地域もあるとして、貴重な生態系のモニタリング強化などを盛り込んだ。方針改定は2008年の策定以来初めて。早ければ来年3月に決定する。
改定案では、交流サイト(SNS)などの影響で特定地域に旅行客が過剰に訪れ、渋滞やごみの不法投棄、動植物への悪影響が起きかねないと指摘。一方でエコツーリズムは「自然・文化の保全と観光が両立する新しい観光の方向性」であり、取り組みを広げて持続可能な地域づくりにつなげるべきだとした。
対応策として、地域ごとに旅行客が生態系や住民生活に与える影響を、継続的に観測して評価することを提示。必要に応じて住民や観光事業者らが参加した利用ルールづくりも検討すべきだとした。政府の役割として、専門ガイドの育成や現地での多言語対応に向けた財政支援を挙げた。
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