内閣府が10日公表した9月の景気動向指数は、現状を示す「一致指数」(2020年=100、速報値)が前月より1・8ポイント高い114・6となり、3カ月ぶりに改善した。半導体製造装置の生産や出荷が好調だったほか、米国やアジア向けの輸出も改善した。基調判断は8月と同じ「下げ止まり」とした。
人工知能(AI)向けの半導体需要が堅調だったことから半導体製造装置を含む「生産指数(鉱工業)」や化学、金属など「鉱工業用生産財出荷指数」、「輸出数量指数」などが伸びた。
日米関税交渉の合意に伴い、米国は9月から日本からの輸入車に対する関税を引き下げたが、完成車の出荷は減少した。完成車が含まれる「耐久消費財出荷指数」も前月比で微減だった。内閣府の担当者は「9月のデータのみで関税引き下げの影響を判断するのは難しい」と説明した。
数カ月先の景気を表す「先行指数」は1・0ポイント高い108・0となり、5カ月連続で上がった。
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