斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題を追及し、1月に死亡した元県議の竹内英明氏=当時(50)=の名誉を傷つけたとして、県警は9日、名誉毀損の疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を逮捕した。認否は明らかにしていない。容疑者は竹内氏に犯罪の嫌疑が掛けられていると繰り返し発信し、竹内氏の妻が内容は虚偽だと告訴していた。

 竹内氏は文書問題の調査特別委員会(百条委)の委員だった。斎藤氏が県知事選で再選された昨年11月に誹謗中傷を理由に辞職し、今年1月に死亡。立花容疑者は斎藤氏を応援する目的で知事選に出馬し、竹内氏ら委員への批判を展開した。

 立花氏は9月、竹内氏の妻からの告訴を受け、自身の交流サイト(SNS)で、発信には真実だと信じる十分な根拠「真実相当性」があると県警の任意聴取で述べたと説明。「竹内氏が何か都合の悪いことをしているから辞めたと考えるのが普通だ」と発言していた。

 兵庫県警は「事実無根で真実相当性がない。罪証隠滅の恐れを考慮した」と逮捕理由を説明した。