中国の新型空母「福建」=2024年5月(新華社=共同)

 【北京共同】中国海南省三亜で5日、中国の3隻目となる新型空母「福建」が就役した。習近平国家主席が出席して式典が開催された。新華社が7日報じた。中国軍は空母を常時運用できる3隻体制を確立。台湾統一を見据え米国をけん制する狙い。東・南シナ海や太平洋で活動を活発化させるのは確実で、日本の安全保障環境に影響を与えそうだ。

 中国は4隻目の空母建造計画を進めているとされ、原子力空母の開発を目指しているとの観測もある。習氏が掲げる「世界一流の軍隊」建設を加速し、米国に対抗する構えだ。

 中国軍は福建の就役により、空母「遼寧」と「山東」を合わせた3隻で作戦、訓練、補修のローテーションを組み、常に1隻が任務に当たることが可能になった。

 福建は艦載機を短時間で発進させる電磁式カタパルト(射出機)を中国空母で初めて採用した。遼寧と山東の船首に傾斜がついたスキージャンプ式と比べ、武器や燃料を多く積んだ艦載機を効率的に飛ばすことができ、作戦能力が向上する。