高市早苗首相は4日、医療費の支払額を抑える「高額療養費制度」を巡り、患者負担を引き上げる可能性を否定しなかった。自民党総裁選時の共同通信による政策アンケートでは「医療保険制度改革全体の中で考える課題」だとしつつ、「引き上げるべきではない」と反対していた。

 衆院本会議での代表質問で、立憲民主党の野田佳彦代表に答弁した。

 野田氏は、負担の引き上げが患者の治療に深刻な影響を与えるとただした。首相は「患者の経済的な負担が過度にならないよう配慮しながら、増大する高額療養費を負担能力に応じてどのように分かち合うか、検討を丁寧に進める」と述べた。具体的な在り方を厚生労働省の専門委員会で議論していると説明した。

 政府は昨年、高額療養費の負担の上限月額を引き上げる方針を決めたが、今年に入り患者団体や野党の反発を受け全面凍結した。石破茂前首相は「今秋までに再検討」と表明したが、結論は12月にずれ込む可能性がある。