最後の航海に出る巡視船「そうや」を見送る地元の人たち=4日午前、北海道釧路市

 現役最古の巡視船で釧路海上保安部所属の「そうや」(3100トン)が4日、拠点の釧路港から最後の航海に出た。老朽化のため12日に引退する予定で、北九州市の解体施設へ向かう。47年間の任務による航行距離は約191万キロ、地球48周に相当する。

 そうやは、南極観測船や巡視船として役目を終えた「宗谷」の後継として1978年に就役。砕氷能力を持ち、氷に閉じ込められた船の救助やオホーツク海の流氷観測で活躍した。600件を超える海難に出動し、1450人以上を救助した。

 釧路海保は4日、出港式を開催。大室泰典船長は報道陣の取材に「氷を物ともせず進む姿に感動した」と振り返った。