中国の董軍国防相(右)と写真に納まる小泉防衛相=1日、クアラルンプール(共同)

 【クアラルンプール共同】小泉進次郎防衛相は1日、訪問先のマレーシアで中国の董軍国防相と初めて会談した。沖縄県・尖閣諸島周辺で発生した中国海警局ヘリコプターによる領空侵犯や中国軍機による自衛隊機への接近を念頭に「東シナ海や太平洋地域でのさまざまな形の軍事活動活発化を深刻に懸念している」と伝達。「具体的かつ困難な懸案から目を背けず、日中防衛当局間で率直な議論と意思疎通を粘り強く重ねることが必要不可欠だ」と強調した。

 会談で小泉氏は、自衛隊と中国軍の偶発的衝突など不測の事態回避に向け、防衛当局幹部間を直結するホットライン(専用回線)の適切な運用を呼びかける方向だ。

 日中防衛相会談は2024年11月にラオスで中谷元・防衛相と董氏が実施して以来。

 会談で小泉氏は自衛隊と中国軍の部隊間交流の重要性を確認するとみられる。

 中国の活動を巡っては今年5月、尖閣諸島周辺の領海に入った中国海警局の船からヘリコプターが飛び立ち、領空侵犯。航空自衛隊のF15戦闘機2機が緊急発進(スクランブル)して対応した。