高市早苗首相、中国の習近平国家主席

 【慶州共同】高市早苗首相は31日、韓国南東部慶州で中国の習近平国家主席と初めて会談した。両首脳は日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築する方針を確認。首相は沖縄県・尖閣諸島周辺を含む東シナ海や南シナ海での中国の活動に懸念を伝達した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受け停止された日本産水産物や、牛肉の輸出再開を巡り、習氏に前向きな対応を要請した。

 日中首脳会談は、2024年11月に南米ペルーで実施して以来。会談は約30分間だった。

 会談で首相は、中国が「核心的利益」と位置付けて統一を目指す台湾の問題を巡り、良好な中台関係が非常に重要だと指摘した。

 尖閣周辺で常態化する中国海警局船の航行、中国によるレアアース(希土類)輸出管理、スパイ容疑による邦人拘束について、習氏に懸念を伝え、中国在留邦人の安全確保を求めた。香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に関する深刻な懸念も示した。