厚生労働省などが入る合同庁舎

 患者の予期せぬ死亡原因を調べる医療事故調査制度などの医療安全施策を議論する厚生労働省の検討会は29日、事故の疑いがある事例を把握し、該当するかどうか判断する手順を各医療機関が定め、安全管理指針に明記することを盛り込んだ報告書案を大筋で了承した。同省は省令などを改正する。

 遺族からの申告を受けて、医療機関は事故に当たるか再検討して結果を伝える工程を整え、指針で明示することを求める。ワーキンググループを設置し、今回の見直しや施策課題の議論を継続する。

 報告書案では、医療事故判断を事後検証できるよう、結論に至った理由や、遺族対応を記録し保存すべきだとした。病院長など判断に関わる者が調査制度の研修を受講するよう求めた。患者の取り違えや医療機器誤使用による死亡や後遺症など12の重大事例を示し、これらを安全管理部門が把握することが適切だと指摘した。

 制度は医療法に規定され病院、診療所、助産所が対象。事故と判断した場合、第三者機関の医療事故調査・支援センターへの報告や院内調査などを義務付ける。