徳島大は28日、大学院薬学研究科(徳島市)の低温培養室で今月20日に特別研究学生(27)が死亡した事案で、河村保彦学長らが記者会見した。発見場所の培養室で19日に停電があり、室温上昇を防ぐためドライアイスを使用していたが、研究室の学生らに周知されず、大学側も把握していなかったと明らかにした。

 県警によると、20日午前、室内でうつぶせに倒れているのが見つかり、その後死亡が確認された。死因は酸素欠乏だった。県警もドライアイスが使われていた経緯を把握しており、関連を捜査している。

 大学は記者会見で、低温培養室が入る研究棟では19日午前8時15分~午後4時40分ごろ、電気設備点検のために停電があったと説明。室温上昇を防ぐために18日午前9時ごろからドライアイス31キロを搬入した。

 搬入は、亡くなった男性が所属するのとは別の研究室の判断で行われ、男性所属の研究室の学生や教員には周知されておらず、大学側も把握していなかった。

 倒れているのを発見したのは学生で、そのとき扉は閉まっていた。