奈良市に住む不動産会社の役員きょうだいが大阪国税局の相続税の調査を受け、自宅から現金計約10億2千万円が見つかっていたことが27日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、国税局は見つかった現金は2022年7月に死亡した母親の財産で、2人が隠したとみて調査。相続税約5億2300万円を脱税したとして、取締役の兄増井功氏(64)と役員で妹の和子氏(56)を相続税法違反の疑いで奈良地検に告発した。

 会社は母親が創業し、関西圏で事業を展開。生前にホテルの売却益などで現金を得たものの本人が現金保管にこだわり、自宅に置いていた。

 功取締役は取材に対し「国税局の指導に基づいて修正申告し、納税は済ませた」と話した。