押収された約20キロのコカイン=24日午前、静岡市

 清水海上保安部などは24日、静岡市清水区の清水港に寄港した大型外国貨物船の船底から発見し、押収したコカイン約20キロ(5億円相当)を報道公開した。船員が知らないうちに、船体の水中部分に隠されたとみられる。国際的な密輸組織が関わっているとみて、麻薬取締法違反と関税法違反の疑いで捜査を進める。船員が把握しないまま密輸するする手口は「パラサイト型」と呼ばれ、発覚したのは全国2例目という。

 保安部などによると、7月10日、貨物船に任意の立ち入り検査を実施。水深約12メートルの船底にあり、エンジン冷却などのため海水を取り込む吸入口付近に、ボストンバッグ1個があるのを見つけた。バッグ内には、ビニールテープに包まれ、20個に小分けにされたコカインが入っていた。

 吸入口は船内から行けない位置にあり、船員からの事情聴取などを踏まえ、保安部は船員の密輸への関与はないとみている。

 パラサイト型とみられる密輸として、愛知県豊橋市の三河港で2019年8月、外国貨物船の船底からコカイン約177キロが見つかった事例がある。