ロシアの侵攻を受けるウクライナから日本に避難したクービック・ナタリヤさん(70)は、母国で40年以上シェフとして働いた経験を生かし、群馬県桐生市で料理店「キッチンウクライナ」を営む。10月、開店1周年を記念し、来店客に記念品を贈呈するサービスを始めた。「ウクライナをずっと忘れないで」と願い、母国の味を届ける。

 記念品は約200点の中からくじ引きで決める。ウクライナの国章が入ったTシャツや旗、帽子やブレスレットなどだ。

 企画は常連客の一言がきっかけだった。だが、ロシアの侵攻から3年半。現地では土産物屋のほとんどが店を畳み、収集は難しかった。桐生に住む娘オジブコ・スウィートラーナさん(49)が、首都キーウや西部テルノピリに暮らす友人や親戚に頼み、半年かけて集めてもらった。

 今年6月には、かつてナタリヤさんが暮らしたテルノピリのマンションにも爆撃があったという。ナタリヤさんは「早く元通りに戻ってほしい」と心を痛める。

 営業時間は午前11時半~午後2時半と午後5~9時。火曜定休。記念品贈呈はなくなり次第終了。