地金大手の田中貴金属工業は22日午前、金の店頭販売価格を1グラム当たり2万1830円に設定した。前日比1540円安と、過去最大の下落幅だった。最近の急ピッチの上昇にいったん歯止めがかかった。前日のニューヨーク商品取引所の金先物相場が高値警戒感から急落しており、流れが波及した。午後に設定した価格は2万2265円で、やや持ち直した。

 前日の米国市場ではダウ工業株30種平均が最高値を更新しており、投資家の間で強気ムードが広がったことで、安全資産とされる金を手放す動きにつながった。楽天証券の吉田哲コモディティアナリストは「高値を警戒する水準だったので売るきっかけになった」と分析した。