厚生労働省などが入る合同庁舎

 厚生労働省は22日、医療費の自己負担を抑える「高額療養費制度」を議論する専門委員会を開き、70歳以上で一定年収を下回る人の外来受診費を軽減する「外来特例」を見直し、一部負担増を検討すべきだとの意見が相次いだ。高齢者は医療機関にかかる回数が増えるため、配慮を求める声も上がった。

 政府は今秋までに高額療養費制度全体の見直しを再検討する方針を示しているが、詳細が固まるのは12月以降に遅れる可能性がある。与党となった日本維新の会が先の通常国会で負担上限額引き上げに反対したほか、専門委が、保険料を軽減する他の医療制度改革と併せて議論した方が良いとの見解を示しているため。

 現在、特例は、年収約370万円を下回る70歳以上の外来受診費の上限額を月8千~1万8千円とし、69歳以下より、さらに負担を抑えている。見直しは公的医療保険の給付を抑える狙い。

 会合では、支払い能力に応じた負担が必要だとして、外来特例を見直すべきだとの指摘が多く出た。医療費が増える高齢者の特性を踏まえた仕組みが重要とする委員もいた。