今年のノーベル化学賞に選ばれた北川進京都大特別教授(74)が22日、東京都内で講演し、世界中どこにでも存在する気体を活用する「ガスエイジ(気体の時代)に入っている」と強調した。ノーベル賞の受賞決定を受けて、日本化学会が企画した。
北川さんは、多数の微小な穴で気体などを吸着できる新材料「金属有機構造体(MOF)」を開発。二酸化炭素(CO2)の回収などにつながる可能性があり、環境問題解決に向けた応用が期待されている。
講演では、気体は拡散しやすく、人体に有毒なものもあることから「ハンドル(操作)する必要がある」と説明。気体を吸着できる活性炭やゼオライトなどの多孔性材料が知られていたが、特定の分子のみを分離できる柔軟性のある構造体を追究したと振り返った。
北川さんは、企業担当者との関係で研究が進展したエピソードを紹介。MOFを取り扱う世界のスタートアップ(新興企業)が50社以上あることに触れ「(MOFは)あらゆる応用ができる。一般の人や企業に知ってもらうことでさらに広がっていく」と話した。
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