高市早苗首相は、過去に非核三原則の見直しに言及し、議論を呼んだこともあった。原爆投下から80年が経過して記憶の継承に力を注ぐ被爆地広島・長崎からは21日、核兵器なき世界の実現に向けた取り組みを「後退させないで」と求める声が上がった。

 「女性初の総理は歴史的なことだが、対話より力に頼る政策の方向性には危機感がある」。長崎の被爆者で語り部の活動を続けている山川剛さん(89)は語気を強めた。

 1991~99年に広島市長を務めた平岡敬さん(97)も「平和外交をしっかりやってほしい」と注文。高市氏は閣僚在任中、靖国神社に参拝しており「東アジアの平和が乱れる可能性があり、不安の方が大きい」と話した。