【ジュネーブ共同】スイス科学アカデミーは18日までに、国内の氷河の体積が2024年10月~25年9月に3・0%減ったとの推計を発表した。1950年代に始まった計測以来、4番目に大きな減少だった。冬の積雪量が少なく、夏の熱波が影響した。
消失した体積は計約1・4立方キロメートルで、東京ドーム1100個分以上となる。2000~10年の減少率は14%だったのが10~20年に17%となり、15~25年では24%と、勢いが近年加速している。これまでに千以上の小さな氷河が既に消滅した。
24年10月~25年3月の冬期は計測史上で3番目に暖かくなり、積雪が少なかった。25年6月は史上2番目に暑く、雪解けが急速に進んだ。
スイス南部バレー州ブラッテンでは5月、氷河が崩落し、麓の集落ほぼ全体が土砂にのみ込まれた。同アカデミーは「氷河の継続的な減少が山を不安定化させている」として、同様の災害が再び起きる恐れがあると指摘した。