政府がコメの民間備蓄制度の導入を検討していることが17日、分かった。集荷業者などが一定期間保管した後に主食用として放出する方向で調整する。保管にかかる費用は国が負担する方針。国の備蓄米は流通に時間がかかったことから、より消費者に近い立場の業者に持ってもらうことで機動的に放出できるようにする狙いがある。

 政府の備蓄米と併存する形で運用する。政府備蓄米は5年保管し、市場価格に影響を与えないよう、飼料用米などに使ってきた。民間の備蓄米は保管期間を短くし、主食用として販売するため一定の収益を見込める。保管費用を賄ったとしても全体として財政負担が少なく済む利点がある。

 民間備蓄量の規模や備蓄期間などの詳細は今後詰める。保管期間が長くなれば、主食用として放出する際の価格が下がり、比較的安く消費者に届けられる可能性がある。

 備蓄制度を巡っては、小麦も輸入が滞る事態を想定し、製粉企業などの備蓄に保管費用を助成する仕組みがある。これを参考にしながらコメの民間備蓄の制度設計を進める。