しもつけ風土記の丘資料館内に置かれた古麻呂に関する常設展示パネル

 日本を代表する古代の史跡が数多く現存する奈良県明日香村と9月に包括連携協定を結んだ下野市。両市村のつながりを語る上で欠かせないのが、現在の下野市付近を中心に勢力を誇った下毛野氏を出自とする下毛野朝臣古麻呂(しもつけのあそんこまろ)(生年不詳~709年)だ。古麻呂は地方豪族として異例の出世を遂げたとされるが、改めてその偉業を探ってみた。

 明日香村の高松塚古墳の南東側の丘陵上には宮内庁が文武(もんむ)天皇の御陵に指定した古墳がある。近年、明日香村によって高松塚古墳北側の丘の上にある中尾山古墳の再調査が行われ、八角形の古墳であることが判明。八角形墳の形状はこの時期の天皇陵に多く採用され、築造時期などから中尾山古墳を文武天皇の御陵とする説が研究者の間で浮上しているという。