北海道の釧路湿原国立公園周辺で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画を進める日本エコロジー(大阪市中央区)と釧路市が15日、計画が希少な野生生物に影響を及ぼす懸念などを巡って市内で協議した。終了後、同社の松井政憲社長は記者団に「自然と調和の取れた事業を行い、地域に説明していく」と述べ、建設を続ける考えをあらためて示した。

 計画に関しては、希少な野生生物の生息調査の不足や手続き上の不備が相次いで指摘され、同社は工事を一時中断している。同社と市は、調査の規模などについてやりとりを続けており、松井社長は工事再開の時期は「分からない」と述べた。

 協議は約3時間行われ、市側から出席した市立博物館の秋葉薫館長は「天然記念物の影響評価をしっかりするという、われわれの責務については理解いただいた」と話した。

 計画は、環境省釧路湿原野生生物保護センター付近の民有地に、ソーラーパネル6600枚を設置するもの。国の特別天然記念物タンチョウを含む生態系への悪影響などが指摘されている。