重要事件の裁判記録が全国で廃棄された問題で、制度運用が見直された昨年1月30日から同年末までに、3115件の記録が事実上の永久保存に当たる「特別保存」に認定された。見直し前を千件近く上回った。この状況について、1997年の神戸連続児童殺傷事件で次男を亡くした土師守さん(69)が13日までに取材に応じ、「やっと正常に戻った。裁判所は検証しつつ継続してほしい。政府は今後の記録を保管するための施設を確保すべきだ」と訴えた。
当時14歳だった男性が、11歳だった土師さんの次男淳さんを殺害した事件。この記録を神戸家裁が廃棄していたことが2022年10月に発覚した。ほかの少年事件の記録廃棄も次々判明し、最高裁が記録保存の基準を見直すきっかけとなった。
新基準の運用が始まり、特別保存の認定件数が急増していることには「このまま基準を守って続けてほしい」と評価。
一方で「保管スペースを担保しなければ実効性を伴わない。事件記録は財産であり歴史。何百年か先に検証することができるよう、政府が施設を準備すべきだ」と要望した。
この記事は会員限定記事です
「下野新聞デジタル」の会員のみご覧いただけます。
下野新聞デジタルに会員登録すると…
- 事件事故や高校野球・イベントなど速報で栃木県の「今」が分かる
さらにスタンダードプランなら…
- デジタル有料記事の大半が読める
- 教育や仕事に役立つ情報が充実
愛読者(併読)プラン・フル(単独)プランなら…
- アプリも使えて、おくやみ情報もいち早く