記者会見を終え、退室する公明党の斉藤代表=10日午後、国会

 公明党が連立政権を離脱すると10日表明した。大型選挙での敗因となった「政治とカネ」問題のけじめを求めたが、自民党から納得できる回答を得られなかった。裏金問題のあおりを受け落選した公明の元議員らは「連立維持は支援者に説明できない」と離脱の判断に理解を示した。「らしさを発揮できる」と前向きに捉える声も聞かれた。

 裏金問題の影響で自公は昨秋の衆院選で少数与党に転落した。大阪では候補者を擁立した4小選挙区全てで日本維新の会に敗れた。大阪府本部の幹部は斉藤鉄夫代表の記者会見を見届けると「党として原点に立ち返るということだ。支持者に説明しないといけない」とこぼした。

 落選した元国会議員の一人は「与党だから実現できたこともあるが、与党だからこそ足かせになっていた部分もある」と、四半世紀に及んだ連立関係を振り返った。

 自公は今夏の参院選でも大敗した。神奈川選挙区では3期目を目指した佐々木さやか氏(44)が約5千票差で落選。県本部幹事長の佐々木正行県議は「公明党らしさを出していく意味で非常に良い決断だ」と評価した。