クラスナホルカイ・ラースローさん(AP=共同)

 【ストックホルム共同】スウェーデン・アカデミーは9日、2025年のノーベル文学賞を、ハンガリーを代表する作家クラスナホルカイ・ラースローさん(71)に授与すると発表した。日本に滞在した経験があり、京都を舞台にした作品でも知られる。ハンガリー人の受賞は02年のケルテース・イムレさん以来となる。

 授賞理由について「終末論的な恐怖の中、説得力に満ちた先見的な作品群により、芸術の力を再確認させた」とした。

 1954年、ハンガリー南東部ジュラ生まれ。首都ブダペストの大学で学び、作家としての活動を始めた。85年、代表作「サタンタンゴ」を発表。同作は後にハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督によって7時間を超える映画にもなった。

 2000年に半年ほど京都に滞在した経験から、源氏物語の要素を交えた幻想的な小説「北は山、南は湖、西は道、東は川」を書き上げた。

 「短い文は人工的」との信念を持ち、長い文章で緻密に描写する独自のスタイルを築いた。欧州での評価が高く、2015年には英国際ブッカー賞を受賞した。