8日、ウクライナ・キーウの大統領府で取材に応じるゼレンスキー大統領(大統領府提供・共同)

 ウクライナ東部ドネツク州で、砲弾を運ぶウクライナ兵士=9月(ゲッティ=共同)

 8日、ウクライナ・キーウの大統領府で取材に応じるゼレンスキー大統領(大統領府提供・共同)  ウクライナ東部ドネツク州で、砲弾を運ぶウクライナ兵士=9月(ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、キーウで共同通信などの取材に応じ、激戦が続く東部ドネツク州をロシアが早期に制圧する計画は「頓挫した」と述べた。ロシアは米国に11月までに同州を制圧する考えを伝えていたという。また、米国に間接供与を求めた巡航ミサイル「トマホーク」は「ロシアを交渉の席に着かせるための圧力になる」と強調した。

 ゼレンスキー氏によると、ウクライナ軍は8月以降、ドネツク州で攻勢に転じた。ロシア軍は同州の要衝ポクロウシクと激戦地ドブロピリャで計1万2千人以上の死傷者を出し、現在は「犠牲を顧みない猛攻」に出ていると指摘した。

 トマホーク供与を巡っては、バイデン前米政権にも要請したが拒否されたと説明。昨年9月、大統領選の共和党候補だったトランプ氏とニューヨークで会談した際に議題に上り、今年9月の会談で改めて要請した。トランプ氏は否定せず「検討する」と応じたという。

 米国と防空協力や対ロ制裁を協議するため、近くスビリデンコ首相やイエルマーク大統領府長官が訪米する予定とした。