ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、笑顔で記者会見する大阪大の坂口志文特任教授=6日午後8時27分、大阪府吹田市

 「大変光栄に思う」。ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大阪大特任教授の坂口志文さん(74)は6日夜、大阪府吹田市の大学内で記者会見を開き「学生や共同研究者に深く感謝している。いろんな方にお世話になった」と笑顔を見せ、かみしめるように語った。

 発表から約1時間半後の午後8時ごろ、会見場に紺のスーツ姿で現れた坂口さん。会見冒頭で職員から花束を受け取ると、カメラのストロボの光を浴びながらはにかんだ。

 授賞理由は「免疫応答を抑制する仕組みの発見」。過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見した。自分を守るべき免疫が自分を攻撃する現象について、会見で「このメカニズムはなんだ、というのが最初の興味だった」と研究当初の思いを振り返った。受賞決定を知った時の率直な感想を問われ「うれしい驚き」と答え、「研究に価値を見いだした世界中の研究者を代表した受賞」と喜んだ。

 大阪大に在籍中の研究者がノーベル賞を受賞するのは初。会見に同席した熊ノ郷淳学長は「偉業と呼ぶべき成果だ」と話した。