1945年8月6日の原爆投下直後、広島刑務所(広島市)が全壊し、焦土と化した市内で、受刑者らが川に浮いた遺体の収容作業に従事したことなどを詳細に記録した文書が、同刑務所に保管されていたことが5日、分かった。市内中心部の元安川に浮かんでいた遺体が引き揚げられ、火葬された。専門家は「被爆後を含め戦時下の刑務所の様子が分かる貴重な資料だ」としている。
爆心地から約2キロ南に位置する広島刑務所は、現在も同じ場所にある。保管されていたのは「原爆戦災記録綴」と題した65年の冊子や、原爆投下時の職員への聞き取りをまとめた81年の冊子「広刑記録綴」など。
受刑者らが作業に出動したのは45年8月9~11日ごろ。65年の冊子によると、職員や教誨師も従事した。木材でつくったいかだに乗り、遺体を川岸に引き寄せて担架で陸上に約200体を引き揚げ。警察官の検視後、遺体約20体を積み重ねては石油をかけ火葬した。
教誨師が読経して供養したので「市民から感謝された」と記載。刑務所側はミカンの缶詰を譲り受け、収容者らに配ったという。
この記事は会員限定記事です
「下野新聞デジタル」の会員のみご覧いただけます。
下野新聞デジタルに会員登録すると…
- 事件事故や高校野球・イベントなど速報で栃木県の「今」が分かる
さらにスタンダードプランなら…
- デジタル有料記事の大半が読める
- 教育や仕事に役立つ情報が充実
愛読者(併読)プラン・フル(単独)プランなら…
- アプリも使えて、おくやみ情報もいち早く