4日、ガザ中部で、イスラエルによって破壊された建物のそばを歩く人々(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】「終戦が近づいたと初めて感じる」。イスラム組織ハマスが人質解放に前向きに回答した。パレスチナ自治区ガザの住民は絶望の中に差した一筋の希望の光として期待する。ただ、トランプ米大統領がイスラエルに攻撃停止を求めたにもかかわらず、ガザでは4日も爆撃音が響いたという。街は無残に破壊されており、住民には疲れが色濃くにじむ。

 中部デールバラハに避難するアクラム・アブシャーラさん(51)は、米政権が示した和平計画が進展すれば「イスラエルのガザ占領や戦争を終結させる道につながる。歴史的な日だ」と希望を抱いた。「人質が解放されれば、イスラエルが戦争を続ける口実がなくなる」と語り、ハマスに実行を迫った。

 ガザ住民によると、4日朝も絶え間ない爆撃の音があった。「ガザは生きる意味を失った荒廃地だ。停戦後のことを考えるだけで疲弊し、無力感にさいなまれる」。デールバラハで避難生活を送るハムダン・ナブハンさん(50)は戦闘終結に希望を持ちつつも、祝う気持ちにはなれないと嘆いた。