TDMに応じ、閑散とするリクシルのオフィス=9月、大阪市住之江区

 大阪・関西万博は連日20万人超が訪れ混雑のピークを迎えている。日本国際博覧会協会(万博協会)などはアクセスルートの混雑緩和を目指し、時差出勤や在宅勤務の呼びかけを強める。沿線の一部企業が協力姿勢を取り、効果は表れているものの、一般利用者への浸透は道半ば。会期最終盤の混乱回避に結実するかは不透明だ。

 9月下旬の平日朝、会場東ゲート直結の大阪メトロ中央線夢洲駅は多くの来場者でにぎわった。一方、1駅手前のコスモスクエア駅近くにある住宅設備大手LIXIL(リクシル)のオフィスは午前9時を過ぎても人影はまばら。約540人中、出社したのは4分の1程度だった。

 新型コロナウイルス禍から多様な働き方を導入してきた同社は、協会などによる「交通需要マネジメント(TDM)」に応じ、社内に出勤回避を周知。近隣のスポーツ用品大手ミズノも協力し、リクシルの担当者は「駅ホームの混雑が少なくなった。各社が協力した結果ではないか」と語る。